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アール・ド・ヴィーヴルを伝える「シャンパーニュ ポメリー」が愛される理由

アール・ド・ヴィーヴルを伝える「シャンパーニュ ポメリー」が愛される理由

「シャンパーニュ ポメリー」などを率いる「ヴランケン・ポメリー・モノポールグループ」オーナーのナタリー・ヴランケンさんが来日(写真)。『シャンパーニュ ポメリー キュヴェ・ルイーズ 2005』のお披露目もかねたディナーが「銀座レカン」で開かれました。

text & photo by Chiyoko IIJIMA

「シャンパーニュ ポメリー」を筆頭に「エドシック・モノポール」「ディアマン」「ドゥモアゼル」などのポートフォリオをもつ「ヴランケン・ポメリー・モノポールグループ」。シャンパーニュ市場において世界第2位に位置するグループです。「シャンパーニュ ポメリー」といえば、この秋、YOSHIKIとタッグを組んだブランドとしての記憶も新しいことでしょう。

 ナタリー・ヴランケンさんは今回オーストラリア・シドニーから東京へビジネストリップとのこと。オーナーの動向からも、シャンパーニュ市場が世界的に再び回り始めたことがうかがえます。
ナタリーさんによると日本市場はキュヴェ・ルイーズの成長が目立っている、つまりプレステージの需要が伸びているそうです。

今回は『シャンパーニュ ポメリー キュヴェ・ルイーズ 2005』のお披露目もかね、さらに『シャンパーニュ ポメリー アパナージュ ブラン・ド・ブラン』『シャンパーニュ ポメリー アパナージュ ブラン・ド・ノワール』を食中酒として改めて訴求するディナーとなりました。

「銀座レカン」のシェフ・ソムエリ近藤佑哉さんは、「ポメリー・ソムリエコンクール2019」で優勝したいわばポメリーを知り尽くしたアンバサダーです。
今回は同じキュヴェを同じ温度でグラスを変えて提供、またブラン・ド・ノワールをデンカンタージュするといった興味深いサーヴィスの提案もしてくれました。
これら一工夫はシャンパーニュの奥深さを実感できるものでした。

『シャンパーニュ ポメリー アパナージュ ブラン・ド・ブラン』はブラン・ド・ブランなのに濃い色調という印象です。
その秘密は「主にグラン・クリュのピノ・ノワールの区画を使ったシャルドネなのでとても個性的。外観も一般的な緑色ではなく、さまざまなファクターによってかなり濃いめです」とナタリーさん。
またアパナージュは新たな発想のもと料理に合うよう開発されたキュヴェでもあります。

アミューズ ブーシュ
「色の濃いブラン・ド・ブラン。しっかり冷やしてもフローラルな香りがたち、アカシアの蜜のような香り、アプリコットや白桃を思わせる香りもあります。キメの細かい泡が際立ちジューシーな果実味が強調されます。ムースのような口当たりなので、アミューズはなめらかなサーモンのリエットに清涼感のあるケッパーなどのスパイスを添えました」(近藤さん)。
ズワイ蟹と蕪のカネロニ仕立て 青柚子の香り
このブラン・ド・ブランをボウルの形や薄さの違うグラスに注ぐと、よりなめらかな印象に。
「このキュヴェのエレガントな酸を感じていただけるよう、凝縮した味のズワイ蟹をカブで包んだ前菜と合わせました」(近藤さん)
『シャンパーニュ ポメリー キュヴェ・ルイーズ 2005』は17年という長い熟成が特徴。ボトルデザインも斬新です。
「この新しいデザインはルイーズの専用区画を上から見た様子を表現しています。ゴールドはアヴィース、ピンクはアイ、青はクラマンのグラン・クリュの畑です。ルイーズは瓶詰めして17年間という長い熟成時間を必要とします。これこそが偉大なルイーズたる理由なのです」(ナタリーさん)。

次のヴィンテージ2006年についてナタリーさんは、
「ブドウの品質が素晴らしいので、ゼロ・ドザージュの『シャンパーニュ ポメリー キュヴェ・ルイーズ・ナチュール 2006』のみ造ります」とのこと。
ちなみに『シャンパーニュ ポメリー キュヴェ・ルイーズ 2005』はドサージュが1ℓ当たり5gです。2006年はゼロ・ドザージュにしたいほどのブドウ、例えるならスッピンのような魅力を放つブドウとのことなので、こちらも大変楽しみです。

「『シャンパーニュ ポメリー キュヴェ・ルイーズ 2005』は1本線の立ったストラクチャーでクリーミー。シャンピニオンのような旨味、ピュアさも感じられます。17年も熟成されていても軸がぶれていない。質のいいブドウを使っているのが伝わってきます」(近藤さん)。

甘鯛のブレゼ モンサンミッシェルムール貝とセップ茸のデュグレレ風
「『シャンパーニュ ポメリー キュヴェ・ルイーズ 2005』には甘鯛のねっとりしたテクスチャーを選び、エシャロットや白ワイン、バターで仕上げたデュグレレ風ソースを合わせました。セップ茸やミネラリティ豊かなムール貝にエレガントで料理に負けないコクをもつルイーズが寄り添います」(近藤さん)。
3本目の『シャンパーニュ ポメリー アパナージュ ブラン・ド・ノワール』のデカンタージュを近藤さんが披露。こういう演出は味わいに加えてゲストの記憶に残るものです。
キュヴェの色が赤みを帯びて濃いめです。
「香りも果実味が豊富。これは2つのグラン・クリュのブドウを使いピノ・ノワール70%、ムニエが30%のアッサンブラージュです。2つのグラスを比較すると細長いグラスの方が苦味を抑える気がします」(ナタリーさん)
国産牛フィレ肉のポアレ アマレット風味の南瓜 ソースシャスール
「このブラン・ド・ノワールは力強く、程よくタンニンも残っています。これぞブラン・ド・ノワールといった味わい。お肉とも合うことを広めたいので汎用性の高い牛肉を選びました。ブラウンマッシュルームのような熟成感のフレーバーを残した力強さを感じていただけるシャンパーニュです」(近藤さん)
イチジクの赤ワインコンポート キャラメルシブーストと共に 藁のアイスクリームを添えて
フランス産イチジクに添えた藁のアイスクリームとは、牛乳の中に藁を入れて煮出して風味を抽出したもの。ほうじ茶のような香りが楽しめ、ナタリーさんも驚く味わいでした。

ちなみにポメリーでは1990年代から軽いボトルの開発に取り組んできたとのこと。
現在1.2kgから0.9kg台にまで軽量化したそうです。
こうしたサステナブルな試みのほか、ブドウの購入価格を上げて品質の高いブドウを調達していることなど、現在の取り組みについてもナタリーさんは語ってくれました。

「シャンパーニュ ポメリー」は1874年にマダム・ポメリーがシャンパーニュ史上初のブリュットを生み出したメゾンとして知られています。
そのマダム・ポメリーの精神を今に受け継ぎ、明るくパワフルなナタリーさんから、シャンパーニュがもたらす「アール・ド・ヴィーヴル(美しく豊かな暮らし方)」をまずは彼女自身が享受し、体現しているという印象を受けました。