ニッポンを食でを元気に

連載②   パッソ•ア•パッソ/ 有馬邦明シェフ

 

 「天然きのこと鴨のズッパ」

 

いい素材、いい生産者と出会うために日本各地をめぐる「パッソ•ア•パッソ」の有馬邦明シェフ。      “素材ありき”のコンセプトで、生産者と密なつながりを持ち、自然環境と作っている人の想いを理解した上で料理する。クーカルの原点ともいえる“シェフと食材、生産者”の在り方を表現する有馬シェフにとっての「ニッポンの味」をうかがいました。

 

秋が始まると山から天然のきのこが送られてきます。季節を味わっていただくのにとても楽しい食材です。 きのこは煮ても焼いても美味しく、素晴らしい栽培の技術で今ではいつでも手に入ります。ですがそれが天然ものとなるとそうはいかず、採れるのも一瞬だけ。しかも山にある半分以上は毒があり食べられません。その道の専門家でないと見分けられない、とても難しく危険な食材です。以前、キノコ名人と言われた方に山を案内してもらったことがあります。その時に教わったことは、その山のことをよく知り、山と共に生きることでした。どこに何があるのか、そしてどれが食べられるのか、採る場所によってどんな違いがあるのかなどの経験と知識が、安全にその山の恵みをいただくために一番大切なことでした。

そうして届いた天然のきのこを楽しむために、ここからが僕の仕事です。名人も言っていた、「きのこはいっぱい入ったほうが美味しくなる」を実行しよう。確かに香り、味、食感などすべて違います。

今回は丸ごと、余すことなく食べていただこうとズッパにしました。僕が日本で料理を作るときに大切にしている“その土地の水をあわせること”から、最後のエキス一滴まで移しだしています。季節の味と香りが凝縮した一品です。素材のひとつひとつに大切なストーリーがあり、多くの方が携わっています。

 

 

 

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素材の本質を知りその現場を知ったからこそ、食材を大事に扱うようになり、無駄なく使うようになりました。捨てるところはほとんどありません。その素材すべての部分を生かして、ベストな料理を作る、それが料理人の仕事だと思っています。信頼している生産者さんが心を込めて作った食材があるからこそ料理ができているんだと、今ではそう思っています。

text by Hiroko Shinbori

 

 →「天然きのこと鴨のズッパ」 レシピ

 

有馬邦明シェフ/プロフィール

1972年大阪府生まれ。イタリア料理店で修業後渡伊し、ロンバルディアやトスカーナなどで約2年間修業を積む。2002年、深川に「パッソ ア パッソ」をオープン。人情味あふれる下町を愛し、祭りでは神輿も担ぐ。素材にこだわり、時には自ら田畑に出向き米や野菜作りを手伝い、生産者との信頼関係を深めている

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パッソ・ア・パッソ

〒135-0033 
東京都江東区深川2-6-1 1F
TEL 03-5245-8645
営業時間
 
18:00~LO 21:30
水曜定休
110815-005r

 


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