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連載⑫ フレンチ割烹 ドミニク•コルビ/ ドミニク•コルビシェフ

 

高知野菜とホタテ貝、たいら貝、アワビのわかめ風味

 

四ッ谷•荒木町という独特な風情を残す街の外れに、今年3月オープンした「フレンチ割烹 ドミニク•コルビ」は、フランス料理の名店で活躍してきたドミニク•コルビ氏が日本での経験の集大成として “和フレンチ”を提供するお店です。店内に入ると広がるメインカウンターでは、その日によって変わる食材や調理の会話をシェフと楽しみながら食事が可能。フランス料理の伝統と、日本の食文化を知りつくしたコルビ氏が考える、新しいフランス料理のスタイルをうかがいます。

 

私にとってのニッポンの味、それはまず今まで全国各地を回って訪ねてきた生産者からの食材がベースです。今回のひと皿に使ったのは高知県の野菜と、北海道の貝。それに淡路島のわかめと、同じく高知県の柚子を使ったドレッシングを味付けにしています。高知県には数年前からよく行っていて、たくさんのいい生産者に出会いました。すごく情熱的で、新しいことに挑戦する人が多いんですよ。今回使った紫オクラや四角豆なども珍しいですが、野菜本来の味は濃く力強さがある。素材が持つ味がしっかりしているので、味付けは最小限にしています。わかめのピューレも、塩は一切足していません。

 

 

th_DSC3317私が今こだわっていることは「バターやクリーム、小麦粉を極力使わずに作る和のフレンチ」。日本に来てもう22年も経つのですが、以前からずっと日本人のフランス料理に対するイメージは確立していました。フランス料理はこってりして重い。だから特にこの夏の時期には食べたくないと思われます。日本の食材の持ち味を生かせば、そのイメージも変えられると常々思っていました。調理の基本はフランス料理ですが、食材も調味料も日本のものをベースにしています。ここではパンも出しません。〆はお米なんですよ。料理に合わせた飲み物も、日本酒は常時50種類くらい揃えています。ワインより幅をきかせているくらい(笑)

 

 

 

 

th★D.Corby_120食材はすべて各地の生産者から直送してもらっています。フランス料理ではメニューを決めてから食材を探すのが一般的ですが、ここでは毎日届いた食材を見てからメニューを考える。そのときそのときの旬の食材を楽しみたいから同じメニューはありません。今まで日本全国たくさんの土地を見てきました。その中にはクーカルで訪れた奈良や山形もそうですが、毎回思うことは日本には素晴らしい生産者がたくさんいるということ。それを表現したくて今のお店をはじめました。今回、本当にいいタイミングでこの取材が来たと思うんだけど、ずっと表現したかった私にとってのニッポンの味、それは、食材と生産者、食文化、すべてをフランスの伝統と融合させたこのひと皿をはじめ、ここで出すすべての料理です。

 

text by Hiroko Shinbori

 

 

 

→「高知野菜とホタテ貝、たいら貝、アワビのわかめ風味」レシピ

 

ドミニク・コルビ氏プロフィール

th★1621965年フランス・パリ生まれ。15歳で料理の道に入り、パリ市内の星付きレストランで修業を重ねる。1991年、パリ「ラ・トゥール•ダルジャン」の副料理長に就任。1994年に来日し、数々のフランス料理店で総料理長を務め、2013年にはル•コルドンブルー日本校のエグゼクティブシェフに就任。今年3月に自身が楽しめる店として「フレンチ割烹ドミニク•コルビ」をオープン。

 

 

 

 

「フレンチ割烹 ドミニク・コルビ」

〒160-0007 
東京都新宿区荒木町9番7号 ナオビル1階
TEL:03-6457-8899
営業時間
18:00~24:00
18:00~21:30(コース3種・要予約)
21:30~24:00(アラカルト可)
不定休
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