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連載⑯ シェ•イノ/ 古賀純二シェフ

赤ワインで作ったポーチドエッグ

 

日本を代表するグランメゾンとしてフランス料理界を牽引してきた「シェ•イノ」の料理長である古賀純二シェフは、そのエレガントな料理と温厚な人柄でファンも多く、お店ではもちろんイベントや講習会でも活躍しています。東北復興支援などのボランティア活動にも積極的に参加。もちろんクーカルでも“銀座チーム”のリーダーとして毎回盛り上げてくださいます。京橋に30年、この土地のフランス料理を見続けた古賀シェフが表現するひと皿を取材しました。

 

 

th_DSC1222日本人が大好きな食材のひとつ、卵がメインの料理にしました。卵は栄養価も高い万能食材で料理のバリエーションもたくさんあります。出し巻き卵や温泉卵、茶碗蒸し、親子丼など我が家の食卓でも頻繁に登場しています。僕自身、大好きな食材のひとつということもあるのですが、今回卵料理に決めたのは、ずっと使い続けている生産者さんを紹介したかったから。この卵は栃木県にある「卵明舎」の寺内昌文さんが作っています。味が濃厚で、バランスがとてもいい。そして何より安全であるということ。飼料にもこだわりを持って自家配合しているので、安心して使っています。日本の卵はヨーロッパと比べても味も安全性もかなりレベルが高いと思います。この卵に出会うまで全国色々な生産者のものを試しましたがフレンチで使われる卵料理、半熟卵やスクランブルエッグ、オムレツ、脇役としてはマヨネーズやサヴァイヨンなどのソース、お菓子だとアイスクリームやケーキなど、どれに使ってもしっくりきたんです。本当にいい卵を使うと、料理の仕上がりがまったく変わるのだと思わせてくれた卵です。生産者とつないでくれたのはもう20年以上のお付き合いになる「みどりショップ」の奥村稔さん。全国の生産者をめぐって味や飼料などをチェックしたり、時には生産方法の指導をしたりもしていて、食材へのこだわりがすばらしい。もう長い付き合いなので彼の目利きを信頼していて、選りすぐりってもらった食材がシェ•イノに届きます。こういった流通の人たちの努力があって日本の食材のレベルが上がっているように感じています。

 

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今回はこの卵を丸ごと味わってもらいたかったのでポーチドエッグにしました。普通はお湯で作るポーチドエッグを赤ワインで作り、それを煮詰めてソースにした濃厚な一品。フランスのブルゴーニュ地方の郷土料理です。30年前シェ•イノに入ってすぐの頃、その意外な組み合わせに驚いたのがこの赤ワインのポーチドエッグでした。なめらかな卵にフランス料理だからこその濃厚なソースを合わせるとこんなに美味しいのかと、改めて卵のおいしさに気づかされた料理です。この濃厚なソースに合わせても、寺内さんの卵は負けない力強さがある。季節によってセップ茸をのせたりトリュフのピューレをのせたりとアレンジはしますが1984年のオープンからずっと提供されていて、変わらず作り続けているこのメニューは僕にとって一番の卵料理です。

 

text by Hiroko Shinbori

 

→「赤ワインで作ったポーチドエッグ」レシピ

 

 

古賀純二氏プロフィール

1964年佐賀県生まれ。福岡の調理師学校卒業後、84年、京橋「シェ・イノ」のオープンと同時に入社。日本のフランス料理界の第一人者、井上旭氏に師事。 2005年シェ・イノの料理長に就任。華やかな料理と温厚な人柄にファンが多く、イベントや講習会でも活躍中。東北復興支援である「東京グランメゾンチャリティカレー」など、ボランティア活動にも積極的に参加している。

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「シェ•イノ」
〒104-0031 東京都中央区京橋2-4-16 明治京橋ビル1F
TEL:03-3274-2020
営業時間
  ランチ   11:30~14:00 L.O.
      ディナー 18:00~21:00 L.O.

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