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ルビーチョコレートのイノベーションをテーマにコンテストを開催

バリーカレボー「チョコレートアカデミーセンター東京」主催

スイスに本社を置く「バリーカレボー」が運営する「チョコレートアカデミーセンター東京」主催の第1回目の「チョコレート イノベーション コンテスト2019」の本選が8月下旬に行われました。

今回のテーマは「ルビーチョコレートのイノベーション」

挑戦者はルビーチョコレートの特徴を生かした魅惑的なお菓子やパンを競い合いました。

「第1回ルビーチョコレートヒーロー」に輝いた徳永純司氏(ホテルインターコンチネンタル東京ベイ/ドリンク・デザート部門)の作品

10年かけて誕生したルビー色のチョコレート

昨今話題となっているのがダーク、ミルク、ホワイトに続く第4のチョコートで、淡いピンク色をした「ルビーチョコレート」です。これは着色料もフルーツのフレーバーも一切使っていない自然な色合いと味を持つ、まったく新しいチョコレートです。

ルビーカカオ豆はブラジル、エクアドル、コートジボワールなどで収穫され、特に品種や産地によってルビー色になるのではないそうです。カカオ豆に天然に存在する成分が、ルビー色を引き出し、またフルーティーな風味にするのだそうです。

これを発見したのは100年以上の歴史をもつチョコレートメーカー「カレボー」で、この成分が豊富に含まれているカカオ豆を特定し、10年かけて加工方法を完成させたのです。

こうして誕生したルビーカカオ豆を使った製品が「ルビーチョコレートRB1」で、今回のコンテストのテーマとなったチョコレートです。

オリジナリティ溢れるルビー色の作品

コンテスト本選の当日には、書類選考を通過した6部門(フォト部門、学生部門、ドリンク・デザート部門、ペイストリー部門、ベーカリー部門、コンフェクショナリー部門)の各5名、延べ30名が各々の作品に関して3分間のプレゼンテーションを審査員らの前で行いました。

審査員長は尾形剛平氏(チョコレートセンター東京責任者兼テクニカルサポート)、特別審査委員に石丸直人氏(「㈱キミノメ」フォトグラファー:フォト部門)、審査員は水野直己氏(「Naomi Mizuno/カレボーアンバサダー」、平井茂雄氏(L’avenue/カカオバリーアンバサダー)、小野林範氏(Chocolaterie Hisashi/カカオバリーアンバサダー)、板倉加奈子さん(元レストランナリサワ ペストリーシェフ)といった豪華な顔ぶれです。

審査基準はルビーチョコレートの使い方の工夫や特徴的な味わいや美しいルビー色を表現しているか、また商品化できるかといったことなどが問われました。

実際、プレゼンテーションを聞くと

「ルビー色、酸味のあるフルーツの味わいを大切にした」「パン生地を焼成するとルビー色が出ないので、そこを工夫した」「白餡5に対してルビーチョコレート1の比率で混ぜ、色が引き立つようにした」「今まで表現できなかったことが、別の角度からできるチョコレート。梅干し、赤酢、ラズベリーと合わせてみました」

それぞれがルビーチョコレートの美しい色の出し方や味わい、オリジナリティ溢れる表現に苦心したことなどを語っていました。

第1回ルビーチョコレートヒーロー

全員のプレゼンテーションが終了後に表彰式が開催されました。

「これがルビーチョコレートの第1回目のコンテストなので、これこそがイノベーション。

たくさんの方々にルビーチョコレートを使っていただきたい。パティシエや和菓子職人だけでなく、ソムリエやアーティストの方々にも」と尾形氏は総評を語ってくれました。

各部門の優勝者と審査員たち

代表取締役社長のパスカル・ムルメステールさんは

「ルビーチョコレートは日本市場から始まり、一番のマーケットになっています。今後もこの好調が続くようにして、日本文化に根付かせていきたいです」

続けてパスカルさんは「スーパークリエイティヴ賞」の森大祐氏(EN VEDETTE/ベーカリー部門)の作品について

「マカロンとクリームパンというアイディアがハイブリット。これはフランス、日本、そしてルビーチョコレートのベルギーという3つの文化の融合です。味わいは美味しく、美しい。歩きながらも食べられ、ペイストリーを毎日の生活に溶け込ませるインスピレーションでした」と述べました。

全部門を通しての「イノベーティヴ」第1位、そして栄えある「第1回ルビーチョコレートヒーロー」に輝いたのは、徳永純司氏(ホテルインターコンチネンタル東京ベイ/ドリンク・デザート部門)。

尾形氏は「デザートのみずみずしい香りが突出していて、食感の違いも素晴らしかった。

ルビーチョコレートの価値を上げてくれたデザートでした。ぜひホテルで提供していただきたいですね」

徳永氏は「ルビーチョコレートのピンク色を生かしたいと考えました。そこでアメリカンチェリーやグリオットの赤を加えました。口溶けの良さと香りを考えてライチのピューレも加えています。ピンク色のグラデーションにするため、ルビーチョコレートと牛乳、生クリームをシェークして、仕上げで注ぐようにしました。コクを追加するような感じです」

と構成について語ってくれました。

さまざまなピンク色が層を織りなし、仕上げのシェークの泡がとてもモダンな印象を与えています。

1年前に日本に志願して赴任してきたというパスカルさんに日本市場の印象についてうかがうと

「日本はアジアで一番大きなチョコレート市場です。日本の消費者は質の高いチョコレートが好き。特にダークチョコレートが人気が高いです。そこで我々は次のステップを目指します。まさに今日のマカロンクリームパンのようなイノベーティヴなパンは、広がってゆくと思います。また日本は自然でナチュラルなものは受け入られます。添加物を使わないルビーチョコレートのポップな色も味も消費者に根付いていくと思います」と語ってくれました。

これからルビーチョコレートを使用したお菓子やパンを見かけることが多くなりそうです。

文/飯島千代子